「すでに目前に迫りつつある戦争を避けたい望みを口にするのもよい。だがその目的のためには、産業の延びなやみを合理的に解消するかたちで、或いはどうにも蓄積しようのないエネルギーを蕩尽する、非生産的事業のかたちで、過剰生産を転用することが必要である。」
ジョルジュ・バタイユ 『呪われた部分』
チェルノブイリ原発事故で放出された核エネルギーをソビエトはどのようにして、消尽したのかを考えると、自ら連邦国家を破壊する行為により、なし遂げたと言うことも出来るだろう。福島第一原発事故で放出された核エネルギーは、社会制度の境界を乗り越えカオスを出現させた。その過剰なエネルギーは未だに消尽されず、デモーニッシュな神話として現代社会に蘇り、ついに『戦争』が立ち上がる。「すでに目前に迫りつつある戦争」を避けるために、非生産的行為としての芸術による象徴の消費に可能性を見出すことも出来るのではないだろうか。