2月12日から17日までA3BCの木版画ワークショップを行うためにロンドンへ行ってきた。Lushという社会問題にも取り組むイギリスに本社のある企業のイベント「Lush Summit」に招待されたからだ。年末にインスタグラムのメッセージで届いた。現地の担当者はA3BCもバナーを出品していたロンドン・アナキスト・ブックフェアでSignalを見て招待を決めたそうだ。三人分の渡航費と滞在費を負担するという。とはいえ企業の行うイベントに参加することは少なからず抵抗感がある。先方のアイデアでは、社会運動支援のTシャツのデザインをお願いされたのだが、支援するならその運動を自分たちで理解して決めたいわけだし、そもそもお金を通した支援を行うつもりはないので、ワークショップを行えるなら参加すると伝える。それでも是非ということなので参加することにした。古い建築物を利用したイベントスペース4フロアーを贅沢に使った、主に各国の社員教育のための二日間で2千人規模のイベントで、全てが英語なので内容の深いところまでは確認できなかったが、かなり盛り上がっていた。二日間、各日三時間ずつのワークショップを行ったが、参加者は途切れることがなかったし、各国からの参加者がそれぞれの思いを木版画で表現していた。みんなの作品を刷った一枚の良いバナーが完成した。良い形で木版画やコレクティブの活動というものが伝わればいいと思う。コレクティブと企業との協働ということに関して結論を出すことは出来なかったが、勉強にはなった。これからもイデオロギーや貨幣に縛られることのないフットワークの軽さを持ち続けたいと思う。