ソビエトの非公認アートのことを調べたりしていて、そういえば、たしか1998年にNYで世話になったポーランドから亡命?していたアーティストJerzy Kubinaに「やっぱり地下にもぐって活動していたのか」と聞いたりして、「地下にもぐる」といえば、イタリアの赤い旅団の映画『夜よ、こんにちは』のような常に緊張している感じを想像していたのだけれど、そんなことはなくて、実は楽しくやっていたとのこと。見つかったら大変なことになるけど、みんなそうだし、そうはバレないとのことでした。東欧出身のアーティストたちが共同で借りていたブルックリンのユダヤ人街のソーホー・ハウスで半月ほど寝泊まりさせてもらっていて、その仲間の一人はイリア・カバコフのアシスタントをしていると言っていたのを思い出した。で、ソビエトのコンセプチュアル・アーティストVadim Zakharovを調べていたら、今年の5月の雑誌ブルータスの部屋特集に記事があった。リアノゾヴォ派やら、アプトアート(アパート芸術)やらを経て、自由にできる場所やコミュニティを大切にしていたロシアの非公式芸術家は、アーティストとして成功した今でも自分のアトリエをアートスペースとして開放してる。
ソーホー・ハウスのバスルームからはツインタワーが一望できて、それが自慢だとアーティストの一人の女性が言っていたが、もう見えなくなっているのだろう。NYという欲望の街でアーティストとして成り上がろうと頑張っている人たちは大変そうだった。とはいえ楽しく過ごさせてもらった。みんなどうしているのだろうか?もう一度ぐらい行ってもいいかもしれない。