渋谷駅はヒトでごった返していた。駅前のスクランブル交差点では角々にキリスト教の立て看板があり、恐ろしい調子で録音された、聖書の言葉が流されている。道端には右翼の街宣車が横付けされ、中国の悪口をがなり立てている。よく映画で表現される、海外の人たちが感じるであろうディストピア感を自分も強く感じた。
平井玄さんらの企画 【赤と黒の連続講座】Section1『赤と黒のあいだのanti資本主義』が行われる渋谷勤労福祉会館に行く。今日はこの連続講座の第一回目、酒井隆史さんの講座だ。気候変動と階級闘争の話など、もやもやの晴れるいい話だった。そして、ともかく鶴見俊輔的「反射神経」が必要だという。
帰り道、渋谷の駅前広場では(自称、草の根)右翼が国旗や日章旗を持って二列に並んでいた。その間を若者たちが行き来する。まるで出陣式ではないか。疑問を持つ人たちも見当たらない。いつのまにか渋谷では日常の風景になっているのかもしれない。デモでは赤や黒の旗を見かけなくなったが、日常に国旗が掲げられる時代なのだ。酒井さんの言葉が頭をよぎる。「日本の人(歩行者)たちはなぜ信号でさえ守ろうとするのか。」
次回は来年、1月25日(土)廣瀬純さんの講座を開くとのこと。