HIP HOPをグラフィティーの視点からほんの少し考えてみたことがあったが、その時はそれほどピンとこなかった。特に音楽、これまで何も知らなかったRAPを、最近聴いたり、調べたりしている。トゥパックの実話映画『オール・アイズ・オン・ミー』をネットテレビで見る。トゥパックは仲間に裏切られ、彼らがただの取り巻きに過ぎなかったと気付いたときに、より強い絆で繋がろうとする「ファミリー(デス・ロウ・レコード)」に移籍する。代表のシュグは言う「デス・ロウはレーベルではなく生き方なのだ」。ファミリーの強すぎる絆は対立を生み、1996年9月13日にトゥパックがラスヴェガスで走行中の車から撃たれて死亡し、翌年の1997年3月9日にはザ・ノトーリアス・B.I.G.がロサンゼルスで銃撃を受け殺害されている。「ヒップホップ東西抗争」が始まったのだ。RAPが命がけで表現しようとするリアルなストリートの声、それは人びとの感情を逆なでもする。ギャングスタ・ラップのCDには「ペアレンタル・アドバイザリー」の烙印が押されているという。