無料主義経済の黎明

芸術には絶対的なものが必要だ。
絶対は相対的なもののなかで現前する。
相対無くして絶対を知ることは出来ないのだ。

無料と1円の間には無限の隔たりがある。
しかし貨幣の中でしか無料を知る事は無い。
無料は絶対である。

作品が無料となる事によって、
否応無くそれは芸術となる。
無料である事と芸術であることは同じだ。

有料の作品は全てエンターテインメントだ。
それは芸術ではなく余興である。
無料は芸術の本質なのだ。

芸術そのものが「生きた貨幣」となり、
あらゆるものが自由に流通し始める。
無料主義経済の黎明がそこにある。

フリーソフトウェアと無名性

フリーソフトウェアはなにより資本が自由を奪うことの否定から始まっている。コピーライトによる署名を付けることによって、その無名性を獲得する(コピーレフト)のだが、フリーソフトウェアにおいて個というものが消滅しているわけではなく、自然権としての著作権の扱いを自ら決定することにより、より個というものが確立される。そして自由であることさえ担保されさえすれば、資本に委ねても良い。