2014年4月3日(木)午後7時から、新宿にあるインフォショップ「IRREGULAR RHYTHM ASYLUM」で行われた『アドバスターズ』のクリエイティヴ・ディレクター「ペドロ・イノウエ」さんのトークイベントの後、打ち上げの格安中華料理屋でIRREGULAR RHYTHM ASYLUMの成田さんから、マレーシアの版画アーティスト集団の活動が面白いと聞く。現地に赴いたRisaさんの探訪紀を読むと、なるほど面白い。その作品は、日本における戦後プロレタリア美術運動の下部構造としてのサークル運動的な民衆版画ではなく、パンクロックのDIY精神を引き継ぎながら、土着の文化とも繋がりを持ち続ける作品だ。都市ではなく、田舎町を拠点にしているそのDIY版画アーティスト集団の名前は、パンクロック・スゥラップ(Pangrok Sulap)。各地でワークショップを開きながら、DIY精神を伝えているようです。Facebookページに掲載されている写真やビデオを見ると、絵として紙に刷るだけではなく、布やTシャツ、ノートの表紙などにも刷っている。また、その刷り方に特徴があり、バレンやプレス機で刷るのではなく、版木や紙の上に直接乗っかって、足踏みしたり、時にはダンスしながら刷っています。これぞDIYパンク! そこで、東京でも版画ワークショップをやることにしました。
2014年5月4日『革命的版画ワークショップ』
民衆の、民衆のための、民衆による版画運動の復興。かつて日本でも興隆していた民衆版画運動、そこにはプロパガンダ以上のものがあったはずです。ヒューマニズム、コミュニティー、ネットワーク。そして、美術と政治の蜜月。
なぜ木版画なのか。民衆が芸術を創りだすこと。その道を用意してくれるのが版画、特に、義務教育で幾度となく制作している、どんな人にも身近な木版画です。誰もが知っているベニア板やゴム/リノリウム板に、誰もが知っている彫刻刀で版を作ります。
なぜ版画なのか。水彩画や油彩画といった、いわゆる絵画との違いは、「刷り」という工程にあります。その工程を経ることによって、作品は作者本人から切り離され、ひとつの芸術作品として自律することでしょう。
また、転写版画は、版を作っている間にその完成を知ることは出来ません。常にその作品を、裏側から、または裏側を見ながら制作することになります。物事の見方、感じ方が変化するだけで、世界は違って見えるはずです。それを自分の体験とすること。そして、そこから世界を形作っていく事。これこそが「革命」なのです。
日時:2014年5月4日午後3時〜
場所:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM
新宿区新宿1-30-12-302|03-3352-6916|irregular.sanpal.co.jp
参加費:無料
お題:参加者みんなでIRREGULAR RHYTHM ASYLUMのポスターを作ります。
制作サポート:上岡誠二(artNOMAD)
※手ぶらで大丈夫ですが、愛用の木版画道具などお持ちでしたら、持参してください。
※油性インクを使って刷ります。それほど汚れることはありませんが、汚れても大丈夫な格好、または実験で使用するような割烹着、エプロンをお持ちください。また、石油系の匂いが苦手な方はマスクをご用意ください。